コーヒーかす 再利用は面倒?乾燥のコツや濡れたまま使える入れ物も紹介
コーヒーの出がらし(コーヒーかす)を再利用したいと思う人は多いでしょう。コーヒーかすにはさまざまな使いみちがありますが、カビの心配や乾燥の手間もあり、やってみると意外に面倒なものです。コーヒーかすを無理なく再利用するコツや、再利用に便利な容器を紹介します。
コーヒーかす 再利用の効果
そもそもコーヒーかすには、どのような効果が見込めるのでしょうか。再利用するなら、コーヒーかすにどんな使い道があるのかを整理しておきましょう。
脱臭
焙煎後のコーヒー豆の表面には、小さな孔がたくさん空いています。脱臭剤として使われる活性炭と同じように、臭いを吸着する力があるのです。
さらにコーヒー豆は挽くことで表面積が増し、臭いの吸着効果も高くなります。UCCの調査によると、コーヒーかすのアンモニア吸収率は活性炭の約5倍もあることが分かっています。
虫よけ
カフェインやタンニンが含まれるコーヒーには、虫や動物を寄せ付けない効果もあります。特にナメクジやアブラムシには、なかなかの効果が期待できるそうです。
殺虫剤を使わずに虫対策ができたら、家庭菜園にも役立ちます。また猫はコーヒーの匂いが嫌いなので、野良猫よけにも使えます。(猫によっては効果がないこともあります)
雑草除け・肥料
コーヒーかすをダイレクトに土に混ぜると土の成分が偏り、植物の生育を阻害することが分かっています。
庭や玄関先など雑草が気になる場所にコーヒーかすをまいておくと、雑草が生えにくくなって草むしりの負担が減るでしょう。
一方で、発酵させたコーヒーかすには、土壌改良の効果があります。
コーヒーチェーン大手のスターバックスでも、コーヒーかすを発酵させて堆肥を作り、その堆肥で育てた野菜を使ったメニューを開発しています。
油汚れ用洗剤
コーヒーかすには油を吸着する性質があり、洗剤代わりにも使えます。
スポンジにコーヒーかすをつけて、炒め物や揚げ物の後の鍋を洗うとギトギト汚れも簡単に落ちます。
コーヒーかすで洗い物をするなら、スポンジもエコな素材を使用すると、より環境に優しいでしょう。
臭いが気になる水筒や保存容器も、コーヒーかすを入れてフタを閉め、振り洗いするとスッキリします。
美容や趣味にも
コーヒーのよい香りには、リラックス効果が期待できます。コーヒーかすをネットにいれ、浴槽に浮かべれば香り高いコーヒー風呂に。
細かい粒粒がスクラブ代わりになるため、石けんやシャンプーに混ぜて使う方法もよく見かけます。
手芸好きな人には乾燥させたコーヒーかすを布に詰めて「針山」にしたり、煮出して「染め物」を楽しんだりするのもおすすめです。
コーヒーかす 再利用にはデメリットも
コーヒーかすはさまざまなシーンで役立ちますが、面倒なことも多く「これは有効だ」と思えるものばかりではありません。家庭の状況によっては、全く使えないものもあるでしょう。コーヒーかすの再利用にたちはだかるデメリットとは何でしょうか。
カビが生えやすい
コーヒーかすは水分をたっぷり含んでいるため、そのまま放置すると白カビが発生します。
カビが絶対に生えないくらいカラカラに乾燥させればOKですが、相当な手間と時間がかかるでしょう。電子レンジやフライパンで乾燥させる場合、光熱費も気になります。
こうなると、そこまでして再利用しなくてもいいかな?という思いが頭をよぎるかもしれません。
後始末が大変
コーヒーかすを食器洗いとして使った場合、その後シンクに流してしまうと詰まりの原因になる可能性もあります。
お風呂でも、浴槽に色が付いたり排水口にコーヒーかすが詰まったりするので、使用の際は十分注意が必要です。
目の細かいネットを利用する、毎回しっかりと洗うなどの「コーヒーかす」対策が必要となり、「捨てるのがもったいないから使う」という本来のエコな目的からは外れてしまうでしょう。
利用機会がない
コーヒーの再利用方法には、「いつ使うの?」と疑問に思うものもあります。
針山や染料などは、手芸に興味がない人には全く試す機会がありません。特に針山は1度作れば長持ちするので、再利用できる量もほんのわずかです。
雑草除けや猫除け、堆肥作りへの再利用も、マンション住まいの人にはほぼ無縁でしょう。
コンポストを利用している人ならともかく、虫よけ程度ではそこまで使い切れません。
コーヒーかす 再利用は「脱臭」から始める
コーヒーかすを積極的に再利用するなら、家の中の脱臭に役立てるのが一番おすすめです。トイレや冷蔵庫、下駄箱など、臭いが気になる場所別に、使い方を簡単に紹介します。
トイレや冷蔵庫
コーヒーかすは、水分を含んでいる方が脱臭効果が高くなります。トイレや冷蔵庫には、乾燥させない、湿ったままのコーヒーかすを置いてみましょう。
毎日掃除のついでに交換すれば、カビの心配もありません。(置く前に十分に水気を切り、1日に1回は必ず交換してください)
おすすめの容器はこちらです。
電子レンジやグリル
コーヒーかすの再利用で最もおすすめなのが、電子レンジやグリルなどキッチン用品の脱臭です。湿った状態で使える上に、コーヒーを淹れる場所からも近いので、とても手軽です。
電子レンジの場合は、濡れたままのコーヒーかすを耐熱容器に広げて3分ほど加熱するだけで、庫内にこもった臭いを吸着してくれます。
そのままコーヒーかすが乾燥するまで加熱すれば、同時に長持ちする脱臭剤も作れます。(加熱時間はコーヒーかすの量によって調整してください)
グリルの脱臭には、湿ったコーヒー豆を敷いて少し放置してから洗います。
食材の臭いが取れない保存容器や鍋、フライパンなどにも試してみましょう。(流すときは下水の詰まりに注意します)
下駄箱やクローゼット
しっかりと乾燥させたコーヒーかすは、下駄箱やクローゼットの消臭にも大活躍です。通気性のよい袋に入れて、靴の中や洋服の間に忍ばせておきましょう。
100均で買える不織布のティーバッグを数枚重ねるのも、手軽でおすすめです。
消臭効果は1ヵ月ほど続くので、乾燥や袋詰めの手間もそこまでかかりません。洗面台の下や食器棚など、臭いがこもりやすい場所ならどこでも使えます。
コーヒーかすを乾燥させるコツ
「エコ」の観点から考えると、コーヒーかすは天日干しで乾燥させるのが理想です。よく晴れた日に、風で飛ばされないように注意しながら試してみましょう。
おすすめの方法は二つ。
- ストッキングに入れて吊るす
- 皿に広げて通気性のよい布をかぶせる
使い古しのストッキングやタイツがあれば、コーヒーかすを入れてから口をしばり、洗濯ばさみで吊るしておきましょう。
1回分ずつ入れて、途中で結んで団子状にしておくと、切り離してそのまま脱臭したい場所におけます。
平らなお皿に広げて、網状のものをかぶせてもよいでしょう。ときどきかき混ぜると早く乾きますよ。
天日干しできない日は、電子レンジやフライパンで加熱して水分を飛ばします。焦がさないように注意しつつ、サラサラとしたパウダー状になるまで根気よく熱しましょう。
コーヒーかす 再利用におすすめの入れ物
コーヒーかすを再利用するときは、どんな容器に入れておけばよいのでしょうか。ケース別に見ていきましょう。
トイレは陶器でおしゃれに
トイレの脱臭のように、湿ったまま使うときは深めの入れ物が適しています。陶器のカップや植木鉢に、ペーパーごとドリッパーから取り出して入れるだけで、おしゃれな消臭アイテムに。
冷蔵庫の場合は使っていないグラスや、おまけでもらった小皿などがよいでしょう。これなら毎日の交換も面倒ではありませんね。
コーヒーかす専用容器も
シンプルなデザインが置き場所を選ばない、おしゃれな消臭ポットです。フィルターごとすっぽり入るので、入れる時も捨てる時も楽々。
コーヒー約3杯分まで入ります。
乾燥させたコーヒーかすは100均の入れ物に
乾燥させたコーヒーかすを保存するときは、密閉容器に入れておきましょう。空気に触れると湿気や臭いを吸収してしまいます。
脱臭剤を作るときは、100均で買える「茶葉をティーバッグに変身させるアイテム」がおすすめです。コーヒーかすを入れて口を裏返すだけと簡単で、捨てるときもそのままでOKという手軽さ。
ティーバッグの上からハンカチやいらない布で包めば、見た目にもおしゃれです。ただし手作り脱臭剤は乱暴に扱うと中身が漏れる可能性があるので注意してください。
コーヒー豆の保存にも気を遣おう
コーヒーかすがたくさん出る人は、いうまでもなく毎日コーヒーを飲んでいる人でしょう。コーヒーが大好きな人だからこそ、豆の保存方法にも工夫をこらしているのではないでしょうか。
ただ、買ってきた袋のまま保存する人や、一度にたくさん買い置きしている人は要注意です。
こちらを参考に、正しい保存方法をおさらいして、おいしく飲みきりましょう。
コーヒーかす 再利用は無理のない範囲で
コーヒーかすは、そのまま捨てるのはもったいないほど、さまざまな用途に再利用できます。しかし最初から「毎日全部リサイクルするぞ!」と気負ってしまうと、長続きしません。
たとえば1日1杯分のコーヒーかすをトイレに置くだけでも、他の消臭剤を買わずに済むため、十分なメリットがあります。
無理のない範囲で、できることからチャレンジしてみましょう。