ふかふかに乾いた布団は、とても気持ちがよいものです。晴れた日は天日干しを欠かさないという人も多いのではないでしょうか。
しかし布団は中の素材によって干し方が違います。間違った干し方をすると布団が傷み、寝心地が悪くなることもあるのです。
正しい干し方や布団干しに役立つアイテム、干せないときの対策を紹介します。
めんどくさいけど欠かせない?布団干しのメリット
そもそも、なぜ布団は干さなければならないのでしょうか?
敷きっぱなしにしてはいけない理由と干すメリットを見ていきましょう。
湿気を取ってふかふかに
人は一晩でコップ1~2杯程度の汗をかくそうです。そして布団は、その汗の水分のほとんどを吸収しています。
敷きっぱなしにしていると、次の夜までに乾ききらないため、その上に寝るとさらに布団は湿っていきます。
湿気がたまった布団は重くジメジメして寝心地が悪いものです。
掛布団が重く寝苦しいのはもちろん、敷布団も湿気でへたってくると固く感じます。
こまめに干して湿気を追い出してあげれば、毎日軽くてふかふかな布団で眠れます。
ダニやカビの繁殖を防ぐ
布団にダニが繁殖したり、変な臭いがしたりする原因も、長期間干さないことにあります。
ダニや雑菌は湿った場所が大好きです。しかも敷きっぱなしの布団には、体から出た皮脂やアカ、フケなど、彼らのエサが山のように残っています。
このような環境で繁殖するなといっても無理な話です。ダニは安心して子孫を増やし、雑菌は汚れを分解して悪臭の元と作ります。最悪の場合、敷布団の裏側にカビが発生することも。
めんどくさくても、布団はできるだけ干しましょう。
布団干しでやりがちなNG行動とは?
快眠のために欠かせない布団干しですが、間違った干し方をしていては、効果は期待できません。
あなたの布団の干し方が正しいかどうかチェックしてみましょう。
なんでも天日干し
「布団干し」といえば、お日様に当てて乾かす「天日干し」が一般的ですね。
実際のところ、昔ながらの「綿布団」は非常に湿気を吸いやすいため、天日干しが欠かせませんでした。
朝起きたら干して湿気を取ってから押し入れに片付けるという習慣は、綿の布団だからこそ根付いたものなのです。
このため「布団はとりあえず天日干しすればよい」と思っている人も少なくありません。
しかし近年では、羽毛やポリエステル綿、ウレタンなどさまざまな素材が使われており、お手入れの方法も異なります。
天日干しがNGな素材もたくさんあるので注意が必要です。
干しっぱなし、干し過ぎ
よく晴れた日は、ここぞとばかりに布団を長時間干しがちですが、これも実はNG行為です。
中の素材はもちろん、布団の側生地も長時間紫外線に当たると色あせや劣化が起こります。
夏の強烈な日差しに何時間も当てれば、どんな布団でも傷んでしまいますよ。
また、外で陰干しする場合も、長時間出しておくのはおすすめしません。
夕方は湿度が高くなるので、干しっぱなしにするとせっかく乾いた布団が湿ってしまいます。
急に雨が降ってくることも考えられるため、干したまま外出するのも避けましょう。
布団をたたく
布団たたききでパンパン布団をたたく光景は今もときどき目にします。
しかし布団をたたくことにメリットはありませんから、絶対にやめましょう。理由は下記の通りです。
・ダニが驚いて奥に逃げてしまう
・近所迷惑
布団をたたくとモワっとホコリが舞い散るので、汚れが取れているように感じます。
しかし舞い散るのは生地や綿がちぎれた破片であって、ホコリやダニの死がいなどではありません。
また、マンションや住宅が密集している地域では、布団をたたく音も騒音になります。
正しい干し方と便利なアイテム
では、布団はどのように干すのが正解なのでしょうか。
布団干しが楽になる便利アイテムと一緒に紹介します。
天日干しのやり方と紫外線・ホコリ対策
天日干しができるのは、木綿やポリエステル綿を使用している布団です。
天日干しのポイントは下記の通りです。
・干す時間帯は午前10時~午後3時
・夏は2時間、冬は4時間日に当てる
・途中で裏返すのを忘れずに
・家に入れる前にホコリを払う
天日干しで気になるのが、紫外線による側生地の劣化とホコリや花粉などの付着です。
布団カバーやシーツは付けたまま干し、取り込むときに外して洗濯すると、傷めずホコリも付きにくくなります。
ベランダの手すりなどを使う場合は、汚れが付かないシートやカバーを使うのもおすすめです。
黒い袋で効率よく乾燥できる 布団干し袋
狭い場所での室内干しや陰干しのコツ
羽毛や羊毛など、動物の毛を使った布団及びウレタン素材のマットレスは、天日干しNGです。
そもそも羽毛・羊毛の掛布団は綿布団ほど湿気をため込まないので、毎日干す必要はありません。
週に1回程度、風通しのよい場所で陰干しすれば十分です。
ただ、室内干しも陰干しも、問題は「干すスペース」です。
大きくて重い布団を干すためにはそれなりの場所を用意しなければなりません。
使わないときは折りたたんで収納できる「布団干し」を常備しておくと便利ですよ。
布団対応 室内用物干し
干す場所がない・忙しくて干せない人はコレ
高層マンションなど布団干しが禁止の家に住んでいる人や部屋が狭くて干す場所がない人、そもそも布団を干している暇もない人は、敷いたまま乾燥できるアイテムを活用しましょう。
折りたたみ式のすのこベッドや布団乾燥機を紹介します。
万年床防止に 折りたたみスノコ
ワンタッチで山型になるスノコなら、布団を敷いたまま干せるのでわざわざベランダなどに移動させる必要はありません。
ワンルームや子ども部屋など、狭くて布団を干せないときにも重宝します。
出しっぱなしでもOK 布団乾燥機
布団乾燥機があれば、布団干しができない日もフカフカの布団で眠れます。
洗濯物や靴の乾燥にも使えるので、1台あると大変便利ですよ。
布団乾燥機はこちらでも特集しています
ベッドのマットレスはどうしたらよい?
ベッド用の大きなマットレスは、敷布団のように持ち運んで干すことができません。
干さなくてよいの?汚れはどうしたらよいの?と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
マットレスを清潔に使うためのお手入れ方法を紹介します。
コイル式は干さなくてもOK
中にバネが入っている「コイル式」マットレスは、基本的に干さなくても大丈夫です。
バネのおかげでマットレス内部の通気性がよい上に、サイドに空気穴が設けられているため、湿気がたまりにくいのです。
普段、以下の点に注意していれば、それほど気にしなくてもよいでしょう。
・ベッドパッドやシーツをこまめに交換
・ときどき掃除機やコロコロでホコリを取る
ウレタンマットレスはこまめに陰干しを
バネではなく、ウレタン素材のマットレスは湿気がこもりやすいため、毎日干すのが理想です。
ただしウレタンは紫外線に弱いため、天日干しはできません。
折りたためるタイプなら、起きた後に山型に折り、裏面に風が通るようにしておきます。
たためないタイプは壁にたてかけるか、下に「スノコ」を敷いておき、扇風機などで風を当てるとよいでしょう。
毎日お手入れできない人は、除湿シートを併用するのもアリです。
干すタイミングが分かる 洗える吸湿シート
布団を正しく干して気持ちよく眠ろう
布団は見た目よりもずっと汚れ、湿気もたくさん含んでいます。
そのままにしておくと快眠できないばかりか、衛生的にもよくありません。
布団干しは家族の健康維持のためにも、欠かせない家事といえるでしょう。
とはいえ、適当な干し方では十分な効果は期待できません。干す時間帯や頻度など、布団に優しい干し方を覚えて正しく干す必要があります。
あなたの家庭に合う干し方を取り入れて、毎日気持ちよくお休みくださいね。
布団を丸洗いするなら、宅配クリーニングが便利です。 毎日使う布団には、目に見えない汚れがたくさん付いています。 シーズンオフの布団をそのまま押し入れなどに保管すると、ダニやカビが増えてアレルギーの原因となってしまうことも。 […]