炊飯器 釜 交換は損?寿命の目安と買い替えのおすすめを紹介
炊飯器がダメになったかもと感じるタイミングの一つに、内釜の劣化があります。本体は正常に作動する場合、内釜だけ交換する方がいいのか、悩む人も多いでしょう。寿命の目安や買い替え候補も併せて、炊飯器の基礎知識を紹介します。
炊飯器の寿命
そもそも、炊飯器が正常に作動する期間は、どのくらいなのでしょうか。本体と釜の寿命の目安を見ていきましょう。
本体の寿命
炊飯器本体の寿命には、幅があります。「電源が入らない」「変な音がする」「ご飯がうまく炊けなくなった」など、明らかな異常があれば買い替えなくてはなりませんが、何年でそうなるのかは、一概にはいえません。
ただしメーカーの部品保有期間は限られており、購入から長期間経過している場合、内釜などを交換できずに、使えなくなる可能性はあります。
炊飯器の部品保有期間は、製造終了から6年と決まっているので、それ以上経っていたら部品交換や修理はできないものと考えてよいでしょう。
なおメーカーによっては10年間保有しているケースもあるため、問い合わせてみる価値はあります。
内釜の寿命
炊飯器を買い替えるかどうかを検討する理由の中で、もっとも多いとされるのが、内釜の劣化です。
内釜の寿命は使い方によって長くも短くもなりますが、3~5年程度でフッ素コーティングの剥がれが気になって気になってくることが多いようです。
前述の通り、本体に問題なくメーカーが部品を保有している期間内なら、内釜だけ交換すればさらに3~5年は使えるでしょう。
釜の寿命を延ばすコツ
炊飯器の寿命は本体よりも釜が短いため、釜を大切に扱えば長持ちするといえます。釜の寿命を延ばすポイントを押さえておきましょう。
釜が傷付く意外な原因
炊飯器の内釜は一見頑丈そうですが、フッ素コーティングは想像以上にデリケートです。何気なくやってしまいがちな以下の行為は、釜の寿命を縮めるため注意しましょう。
- 米をとぐ
- 保温機能の多用や誤用
- 食器洗いのときタライの代わりにする
- 酢飯をつくる
- 金属製のスプーンなどでご飯をよそう
- タワシやメラミンスポンジで洗う
炊飯時はザルなどで米をといでから釜にいれ、炊きあがったら木やプラスチックのしゃもじでよそいましょう。酢飯をつくるときは、別の容器にご飯を移し替えます。
使用後の釜は、柔らかいスポンジで優しく洗うのが基本です。
フッ素コーティング剥がれても問題ないケースも
フッ素コーティングが少しくらい剥がれた程度で、釜を交換しなくてはならないとしたら、何だか損した気分になります。
実はフッ素コーティングは多少剥がれていても、ご飯がきちんと炊けていれば大丈夫です。ご飯にフッ素の成分が混ざっても、人体に影響はないため、ほんの少し剥がれている程度なら無理に交換しなくてもよいでしょう。
ただ、一度剥がれるとだんだん広がっていくうえに、いつご飯が正常に炊けなくなるかもわかりません。できるだけ剥がれないように扱うことが、重要です。
他の部品もしっかり洗おう
内釜に気を取られて、内ブタなどのパーツを洗い忘れてしまうことはよくあります。そのまま使っていると雑菌が増えて不衛生ですし、劣化を早めることにもつながります。
フッ素コーティングが無事でも、他の部品が壊れては意味がありません。洗う頻度や洗い方は部品の役割や機種により異なるため、取扱い説明書をよく読んで守るようにしましょう。
炊飯器の釜交換・本体買い替え判断するには
炊飯器の寿命はさまざまな要因によって決まります。釜を交換してもすぐに本体が壊れたら損ですから、本体ごと買い替えた方がよいのか迷う人も多いでしょう。釜交換や買い替えの判断基準を紹介します。
釜を交換した方がよいケース
以下の条件に当てはまる人は、釜だけ交換する方がよいといえます。
- 釜だけボロボロになったが本体も他の部品も問題ない
- 購入から数年しか経っていない
- 高価格帯の製品
買って数年で、釜のフッ素コーティングだけが使い続けられないほど剥がれた場合、メーカーが保有する釜を購入すればOKです。
特に購入時の価格が高い機種の場合、買い替えるとなると相当な出費を強いられるため、釜を交換して長く使う方がお得でしょう。
本体ごと買い替えるケース
一方、釜だけを交換してもあまり意味がないケースもあります。
- 低価格な機種
- 購入から10年以上経過
- 他にも交換したい部品がある
- 家族の人数が変わった
1~2万円ほどの低価格帯の炊飯器の場合、釜だけ買うのも、同じ価格帯の本体を買うのも、あまり値段に差がない可能性があります。
他の部品もそれなりに劣化しており、いつ壊れるかもわからない状態で使うよりも、本体ごと買った方がよいといえるでしょう。そもそも購入から長期間経過している場合は、釜だけ買うこともできません。
また、子どもが成長するなどしてご飯を炊く量が変わったときも、人数に合わせた容量のものに買い替える方が、使い勝手がよくなり満足度も向上します。
買い替える人向けの炊飯器の選び方
これまでも長年炊飯器を使ってきたベテランの主婦や主夫は、今後どのように炊飯器を選ぶとよいのでしょうか。最新事情に即した選び方を見ていきましょう。
容量や炊く頻度
炊飯器は機種によって炊ける量が決まっているため、まずは必要なご飯の容量を決める必要があります。適切な容量は基本的に、家族の人数やご飯を食べる頻度によって変わります。
毎日1食以上ご飯を食べる、弁当を作るなどの場合、一度にたくさん炊ける炊飯器がよいでしょう。3~4人の家族なら、5合以上がおすすめです。
逆にパンや麺類が多く、ご飯をあまり食べない家庭は3合程度でも困らないかもしれません。また月に数回程度しかご飯を炊かない場合、炊飯以外の機能も豊富な自動調理鍋を選ぶのもアリです。
加熱方式や釜の素材
炊飯器は「圧力IH」「IH」「マイコン」などの加熱方式によって、価格や炊き具合が異なります。一般的には「圧力IH」が高価で機能も多く、「マイコン」はリーズナブルです。
ご飯の炊きあがりを比べると、圧力IHはふっくらと、IHはしっかりと硬めになります。「IH」は「圧力IH」よりも価格が安いため、硬めの食感が好きな人にはおすすめです。
また、炊飯器の内釜にはご飯がこびりつかないように、基本的にフッ素コーティングが施されています。しかしフッ素コーティングは健康や環境によくないと、近年は避ける傾向も強まっています。
数は少ないものの、フッ素コーティングのない炊飯器も発売されているので、こだわりのある人は検討してみましょう。
デザイン
炊飯器のデザインはかなり洗練されてきているとはいえ、決しておしゃれとはいえない製品がまだたくさんあります。
炊飯器は置き場所も取るうえに、引き出しなどにしまっておくと不便なので、出しっぱなしになりがちなのも、悩ましいポイントでしょう。
せっかくおしゃれなインテリアにしているのに、炊飯器のおかげで台無しになっては残念です。価格帯や容量・機能が同じならば、デザインで決めるのも一つの方法です。
保温や蒸気カットなどの機能
今後炊飯器を買うなら、機能の取捨選択も重要です。炊飯器の定番機能といえば予約や保温ですが、そうした機能は本当に必要でしょうか。
子育てや仕事との両立で家事の時間があまり取れない人にとっては、予約や保温機能は確かにありがたいでしょう。しかし子どもが大きくなったり、在宅で働くようになったりした場合、こうした機能はなくても困りません。
ご飯は鍋でも炊けるので、極端なケースでは、炊飯器自体が必要ないかもしれません。自分の現在のライフスタイルに合わせて、当たり前のように付いている機能をじっくり精査すると、失敗を減らせるでしょう。
買い替えにおすすめの炊飯器
これまでの炊飯器のイメージをくつがえす、おしゃれで機能的な炊飯器を紹介します。ライフスタイルに合わせて、最適な1台を選びましょう。
バルミューダ「ザ・ゴハン」
おしゃれでコンパクトな炊飯器が欲しい人におすすめの、3合炊きです。横幅約24cmで、取っ手などもないため、今まで置けなかった場所に置くことも可能です。
釜が二重になっており、外釜に水を入れて炊飯します。外釜で発生する水蒸気によって、お米を優しく炊きあげるのがポイント。
タイマーや「炊き込み」「おかゆ」などの基本機能も付いています。ただし保温機能はありません。
バーミキュラ「ライスポット ミニ」
こちらも3合炊きのコンパクトな一台です。釜部分が鋳物の鍋になっているので、フッ素コーティングが気になる人にもおすすめできます。
炊飯以外の調理モードが搭載され、無水・蒸し・低温・発酵・炒めなどの調理も可能です。フタを置けるスタンドやレシピブックがセットになっており、一般的な炊飯器から買い替える人でも迷わず使えるでしょう。
同じシリーズで5合炊きもありますが、どちらもご飯の保温機能がないうえに鋳物鍋が重いため、どちらかといえば3合炊きの方が扱いやすいといえます。
また、調理中に本体が熱くなるため、小さな子どもがいる家庭には不向きかもしれません。
パナソニック「圧力IHジャー炊飯器」
コンパクトながら5合まで炊ける炊飯器です。お手入れ部品が内釜と「ふた加熱板」の2個しかなく、ふた加熱板は食器洗い洗浄機にも対応しています。
圧力IH方式と遠赤ダイヤモンドハードコーティングの釜で、ふっくらとおいしいご飯が炊きあがります。釜は軽く、洗うのも楽です。
シロカ「土鍋電気炊飯器 かまどさん」
「土鍋でご飯を炊いたらおいしいだろうな」と思いつつ、火加減などが分からずチャレンジできない人は多いのでは。
シロカの「かまどさん」は、土鍋で知られる長谷園の炊飯土鍋を内釜に採用した、画期的な電気炊飯器です。
火加減の調整も、つきっきりで見ている必要もなく、誰でも簡単に土鍋炊飯ができます。土鍋ですから、フッ素コーティングもされていません。
デメリットは土鍋が重く、割れる可能性がある点です。搭載されている土鍋乾燥モードでお手入れし、大切に扱いましょう。
日立 「ふっくら御膳」
「ふっくら御膳」は一見よくあるデザインの炊飯器ですが、炊飯時に出る蒸気をカットする機能があり、置き場所を選ばないのがメリットです。
棚の中段やスライド引き出しにも置けるので、キッチンのインテリアの自由度が高まるでしょう。幼児やペットが蒸気でやけどする心配も多少は軽減されます。
フレーム部分に凹凸がなく、本体のお手入れがしやすいのもうれしいポイント。日立独自の「極上ひと粒炊き」で炊き上がりも満足なうえに、保温など欲しい機能も過不足のない一品です。
パナソニック 全自動炊飯器
およそ炊飯器らしくない見た目のこちらの製品は、お米と水をセットするだけでいつでもご飯を炊ける優れもの。
無洗米2合を上部に入れておけるので、米の保管場所にも困りません。スマホで遠隔操作ができ、朝に水をセットしておけば、外出中の好きなタイミングでご飯を炊き始められます。
帰宅時間が読めずタイマーをセットしにくい人や、炊飯器のスイッチを入れ忘れておかずを買いにでかけてしまう人などは、とても助かるでしょう。
ただし炊ける容量は2合と少なく、炊き込みご飯などもつくれません。「忙しくても炊きたての白米を食べたい」「一人暮らしの子ども向け炊飯器を探している」家庭などにおすすめです。
お気に入りの炊飯器で「米活」を楽しもう
炊飯器の寿命は基本的に、内釜の劣化の度合いで決まります。できるだけ内釜を長持ちさせる努力が、お金や資源の節約につながります。炊飯器は各メーカーからたくさんの機種が出ています。買い替え時には選ぶのも一苦労ですが、デザインや変わった機能にも目を向けて、後悔しないようにじっくりと見定めましょう。
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