洗濯槽洗剤の選び方 肌にも地球にもやさしいおすすめ商品と汚れ対策

衣類を清潔に保つためにも欠かせない洗濯槽の掃除。でも、専用クリーナーの中には塩素系や合成界面活性剤を使用したものなどが多く、肌や自然環境への影響が気になります。
せっかく環境に優しい洗剤を使っていても、こうした洗濯槽クリーナーを使うことで台無しになっては困ります。
「環境に優しい洗濯槽クリーナー」と、洗濯槽の汚れを予防するポイントを紹介します。
洗濯槽クリーナーが環境によくない理由

洗濯槽クリーナーは主に「塩素系」と「酸素系」に分けられます。カビ取り効果が高いのは塩素系ですが、環境には優しくないとされています。塩素系がなぜ環境によくないのか、理由をおさらいしましょう。
水質汚染のリスク
塩素系の洗濯槽クリーナーの主成分は「次亜塩素酸ナトリウム」です。この成分には強力な殺菌効果がありますが、環境に対しては悪影響を及ぼす可能性があります。
塩素系クリーナーを使用すると、トリハロメタンなどの有機塩素化合物が生成され、水質汚染の原因となります。
また塩素系クリーナーは生分解性が低く、環境中で長期間残留するのも特徴です。もちろん、洗濯槽掃除の排水が、家庭の排水口から直接川や海に流れるわけではありません。
しかしたとえ微量であっても、そこで暮らす水生生物にとっては迷惑な話です。積み重なれば、生態系に深刻な影響を与えるかもしれません。
人体への悪影響
塩素系の洗剤はツンとしたニオイからも分かるように、刺激が強く、人体にとっても良いものではありません。
洗濯槽の掃除に使う時も、換気を怠らず、肌に付かないように注意する必要があります。
赤ちゃんや、肌が敏感な人にとっては、カビも気になるけれど、それ以上に塩素の残留も気になるところでしょう。
一方、酸素系は生分解性が高く自然環境に優しいうえに、人体にも無害です。近年は天然成分を利用した洗剤も見つかるので、可能な限り塩素系を避けると安心できます。
プラごみの問題も
塩素系洗剤は通常ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのプラスチック製の容器に入っています。塩素系成分に対して耐性があり、腐食しにくいためです。
洗濯槽クリーナーも例外ではなく、1回の掃除で一つのボトルが空いてしまうので、ごみが気になります。
今どき、こんなプラごみ出しちゃっていいのかなぁ。と思う人も少なくないでしょう。
塩素系以外の洗剤なら、もっと環境に優しいパッケージのものが選べます。
酸素系にもデメリットはある
環境には良くない塩素系洗濯槽クリーナーですが、性能面では優れています。塩素系は洗濯槽にこびりついたカビをはがすだけでなく、溶かしてしまうため、使用後にカスが残らないのです。短時間でスッキリ洗浄・殺菌できるので、忙しい人にも向いています。
一方の酸素系は、カビをはがすために長時間漬け置きが必要です。また浮いてきたカビが残ってしまうので、排水前にネットですくいとったり、槽洗浄をしたりしなくてはなりません。
環境に良いものを!と意気込んで酸素系を選んだとしても、面倒で結局使わなくなってしまえば、カビが増えて元の木阿弥。忙しい時は無理せず塩素系に頼るのもアリです。
また年に1度、塩素系で徹底洗浄して、後は酸素系で軽い汚れを落とすだけにすれば、そこまで負担はかからないかもしれません。自身の状況に合わせて決めるとよいでしょう。
環境にやさしい洗濯槽クリーナー おすすめ

「塩素系ではない」「パッケージがエコ」な、環境に優しく安全な洗濯槽クリーナーを紹介します。
シャボン玉石けん 洗たく槽クリーナー
人と環境に優しい洗剤のさきがけ的なメーカー・シャボン玉石けんの洗濯槽クリーナーです。
酸素系の過炭酸ナトリウムを主成分に、純石けん成分の界面活性剤・脂肪酸ナトリウム、アルカリ剤として重曹を配合。生分解性が高く、環境に優しい製品です。
1回使い切りの粉末タイプで、二槽式・縦型専用です。ドラム式洗濯機には使えません。

洗濯槽快
カルシウムの力で除菌・脱臭する洗浄剤です。ホタテの貝殻が原料だから、安全・安心。
洗濯時に衣類と一緒に入れるだけで、洗濯槽の汚れを防ぐので手間もかかりません。
排水管や排水溝のヌメリ、悪臭を軽減する効果もあり、洗濯機周りを衛生的に保てます。
縦型・ドラム式それぞれに専用の製品が出ているので、間違えないようにしましょう。


すっきり洗濯槽クリーナー
あっさりとした紙パッケージがいかにもエコな、酸素系のクリーナーです。
シャボン玉石けんのクリーナーと成分はほぼ同じですが、パッケージで比べると、こちらの方がエコかもしれません。

洗濯槽の汚れを防ぐ おすすめの洗濯洗剤と毎日の習慣

そもそも、洗濯槽に汚れが付かないようにすれば、掃除の手間が省ける上に、水も節約できます。いつも通りに洗濯するだけで、洗濯槽の汚れを予防できる洗剤をチェックしましょう。
ホタテ貝の洗濯洗剤
先ほども登場した、ホタテ貝の貝殻を原料とする洗濯洗剤です。
タブレットタイプなので計量の手間もなく、洗濯槽に入れて回すだけ。液体や粉と違って飛び散ったりこぼれたりする心配もありません。
すすぎが1回でよく、水を節約できるのもうれしいポイント。
蛍光剤や香料も不使用で、洗剤の匂いが苦手な人でも安心して使えます。

エコdeランドリー one-g
こちらも貝殻由来のカルシウムパワーを利用した洗剤です。30リットルにつき1gと少量で汚れを落とせます。
使用量が少ないため1度買えば長持ちし、保管や配送にかかるエネルギーの節約につながります。
パッケージも小さく、詰め替え用は紙製なので、環境への負荷を大きく減らせるでしょう。

洗濯槽のカビを防ぐ習慣
環境にやさしいクリーナーや洗剤を使うだけでなく、日々のちょっとした習慣でも洗濯槽の清潔さは保てます。
- 洗濯後はフタを開けておき、槽内をしっかり乾燥させる
- 洗剤を入れすぎない(残りカスがカビの原因)
- 洗濯槽に洗濯物を入れっぱなしにしない
- 糸くずネットや洗剤投入口など、汚れが付きやすいパーツをこまめに洗う
こうした日常の意識が、結果として環境への負荷を減らすことにもつながります。
家族と地球に心地よい洗濯を
洗濯槽にはカビの養分となる石けんカスや、衣類の汚れも残りがちです。水を使う以上いつもジメジメしており、人の目も届かないので、放置すればカビは増え放題となるでしょう。
洗濯槽の掃除は1~2カ月に1度、梅雨なら1カ月に1度の頻度で行うのがよいとされています。
しかしカビ退治に即効性がある塩素系のクリーナーは、環境や人体への負荷が大きく、こまめに使うのは心配です。
紹介した酸素系クリーナーや天然成分由来のクリーナーを使い、人にも環境にも優しい洗濯槽掃除を実現しましょう。