花梨(かりん)の食べ方 シロップや酒、ジャムなどにしていただこう
のど飴やシロップでよく見かける「花梨(かりん)」ですが、実物を見た経験がある人は少ないのではないでしょうか。花梨は日本各地で栽培されている果物で、庭木としても人気があります。
意外に身近な果物、花梨についておいしい食べ方や栄養などを解説します。
先日、知人から花梨をいただいたので、食べ方を調べてまとめてみました。
花梨(かりん)って何?
花梨とは、そもそもどのような果物なのでしょうか?主な特徴を見ていきましょう。
秋が旬のバラ科の果物
花梨は中国原産の、バラ科カリン属の果物です。日本にやってきた時期ははっきりしませんが、現在では広く栽培されています。
特に香川県・山形県・愛媛県・山梨県・長野県などが主な産地として知られています。
黄色い楕円形の果実がかわいらしく、庭に植える人も多いようです。果実の収穫時期は、秋の後半です。10~12月にかけて、生の果実を入手できます。
花梨についてのQ&A
花梨の名前を知っていても、実態はよくわからない人も多いでしょう。花梨について、感じがちな疑問に答えます。
花梨のおすすめの食べ方
のどの痛みをやわらげ、抗ウィルス作用が期待できる花梨は、寒い時期の体調管理に役立ちます。生のカリンが手に入ったら、ぜひ試してみたい食べ方を紹介します。
花梨シロップ
花梨シロップは、砂糖と水さえあれば1時間程度で作れてしまう、手軽さが魅力です。
漬け込む容器を持っていない人でも、簡単に作れますよ。
調理後に残った果実はジャムやお菓子にアレンジしても◎。
- 花梨1個
- 砂糖300~400g
- 水1000㏄
- 鍋
- フードプロセッサー(あれば)
まず花梨を皮と実、種に分けます。
花梨の皮はとても硬いので、ピーラーで少しずつむいていきましょう。
中央に黒っぽいワタと種があるので、くりぬいてワタを洗い流します。
実は薄切りにするか、フードプロセッサーで細かく刻んでおくと時短に。
薄切りの場合は後で砂糖をまぶしてオーブンで焼くと、スイーツとして楽しめます。
フードプロセッサーにかけてから煮込むと、簡単に花梨ジャムを作れますよ。お好みの方法を試してみてくださいね。
皮と種を鍋に入れ、水半量を注いでとろみがつくまで煮ます。
花梨の種は少しヌメヌメしているので、煮るととろみがつくようです。沸騰してから数分でOKですよ。
とろみがついたら一度煮汁をこして鍋に戻し、実・砂糖・水500㏄を加えて煮ます。
半分くらいになったら、再び漉して完成!
粗熱がとれたら、保存容器に移して冷蔵庫に入れます。今回は約500㏄のシロップと、200gほどのジャムができました。
ハチミツ漬け
花梨と同じく、のどの痛みを緩和する効果が期待できるハチミツ。
風邪をひきやすい冬に花梨のハチミツ漬けを常備しておくと、いざという時も安心です。
花梨はよく洗い、半分にカットして種を取ります。種も使うので、お茶パックなどに入れておきましょう
果実酒用の瓶に入れてフタを閉め、冷暗所で保管します。
1日1回、瓶ごとゆすって混ぜます。瓶の中には発酵によってガスがたまるため、時々フタを開けてガス抜きしましょう。
3~4週間ほど経ち、花梨が黒ずんできたら完成です。実と種を取り出して、冷蔵庫で保存しましょう。
カリン酒
花梨1個につきホワイトリカー1000㏄、氷砂糖100㏄で漬け込めば、芳醇な香りを楽しめるカリン酒を作れます。
花梨の皮はむかず、種ごと1cmの輪切りにして氷砂糖と交互に果実酒瓶に入れていきましょう。
ホワイトリカーを注いだら、半年ほど冷暗所に寝かせてからいただきます。
おしゃれな果実酒瓶やレードルも揃えて、おうちバーを楽しみましょう。
カリンシロップやお酒の飲み方
最後に手作り花梨シロップやお酒を、おいしくいただく方法を紹介します。
ソーダ割
花梨のさわやかな香りには、炭酸水がよく似合います。氷とよく冷えた炭酸水で、風呂上がりの一杯気分もよいですね。
炭酸水は、市販のものでもOKですが、炭酸水メーカーを購入するのもおすすめです。
炭酸の強さを調整できたり、ペットボトルゴミを減らせたりと、メリットもたくさんありますよ。
詳しくはこちらをお読みください。
ロックやストレート
とろりとした濃厚な味わいと花梨独特の香りを楽しむなら、ロックやストレートで飲んでみてもよいでしょう。
のどが痛いときや冷えが気になるときは、レンジで温めても。
ヨーグルトに混ぜる
花梨は食物繊維が豊富な果実です。
食物繊維は腸の中で乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えるのに一役買います。
花梨シロップやジャムを、善玉菌豊富なヨーグルトに混ぜたら・・・効果はいうまでもありませんね。
秋の味覚・花梨をおいしくいただこう
花梨の果実が流通するようになると、厳しい冬はすぐそこです。
生では食べられないものの、健康によい成分がたっぷり含まれる花梨は、古くから薬用果実として親しまれてきました。
もし生の花梨を入手できたら、シロップやお酒に加工して丸ごとおいしくいただきましょう。