富硝子 小樽再生ガラスをレビュー 環境に優しい食器
廃棄ガラスを再利用して作るガラス食器は、サスティナブルな暮らしを実現する日用品の一つとして注目を集めています。トミガラスが販売する、小樽再生ガラスもその一つです。
今回は小樽再生ガラスのタンブラーを使った感想をお伝えします。おしゃれなガラス食器を探している人はもちろん、地球環境問題に関心のある人も、ぜひチェックしてみましょう。
小樽再生ガラスって?
小樽再生ガラスはいつ頃、どのように誕生したのでしょうか。買える店もあわせて紹介します。
富硝子が販売する小樽硝子シリーズの一つ
小樽再生ガラスは、2021年に富硝子株式会社が小樽硝子シリーズの一つとして販売をスタートさせました。
富硝子は東京下町・亀戸のガラスメーカーです。小樽市に工場を持つ老舗メーカー、株式会社深川硝子工芸と協力し、廃ガラスのアップサイクルに取り組んでいます。
小樽再生ガラスは単にエコなだけでなく、独特の色合いや職人技にこだわり、普通のガラス食器にひけをとらない仕上がりが特徴です。
廃自動車の窓ガラスをアップサイクル
小樽再生ガラスの原料は、なんと廃自動車のフロントガラスです。石狩市の廃自動車処理場で、手作業で取り出したフロントグラスのかけらを溶かし、さまざまな食器に加工しています。
うっすらと緑がかった色合いは、言われてみればなるほど車の窓よね!と思えます。スモークガラスを再利用した商品もありますよ。
小樽再生ガラスがエコな二つの理由
ガラスはそもそもリサイクルが可能な、エコな素材です。しかし小樽再生ガラスには、もっとエコな理由があります。その秘密を見ていきましょう。
コストを抑えたリサイクルが可能
廃車の窓ガラスはグラスウールと呼ばれる繊維としてリサイクルされるのが主流です。グラスウールは断熱・吸音・防振に優れた効果を発揮する繊維で、住宅や自動車などさまざまな製品に活用されます。
ただしガラスの繊維化にはコストがかかるため、気軽にリサイクルというわけにはいきません。一方で、同じガラス製品に生まれ変わらせるには再融解するだけでよく、グラスウールを作るよりも簡単です。
また車の窓には、割れた時に鋭い破片にならないよう、強化ガラスを使っています。強化ガラスは細かく砕けるため、運搬の袋も破けにくく安全かつ楽に輸送できます。
廃自動車処理場とガラス工房が近くにあれば、輸送にかかるエネルギーやコストも最小限に抑えられるのです。
余計なエネルギーを使わない工夫
ガラスの製造には型を冷やしたりカットするときの摩擦熱を抑えたりなど、大量の水を使用します。小樽再生ガラスの工場では、雨水や雪融け水を再利用しています。
雪を融かすのもガラス窯の熱を利用しており、余計なエネルギーを使いません。雪の多い地方では厄介者扱いされがちな雪も、ガラス作りに活用されるならロマンチックですね!
なお小樽再生ガラスは包装もエコです。チョコレートを作る時に出る、カカオ豆の皮を再利用したエコペーパーを使っており、素朴な風合いも楽しめます。
小樽再生ガラスを使った感想
実際に小樽再生ガラスの「サワーグラス」を使った感想を紹介します。使ったのは「サワーグラス(右)」と「スモークサワー(左)」の2点です。
薄くて軽い!持ちやすい
箱から取り出してすぐ、その薄さと軽さに驚きました。ガラスじゃなくて、メラミンなんじゃないかと思ったくらいです。
家にあったグラスと比べても、一目瞭然!容量は多いのに、100gも違うなんて。ガラスをここまで薄く仕上げるには、職人さんの熟練の技が必要だそうです。
握力が弱くなっているアラフィフの私も、楽々持てるし、何より口当たりが良くて飲みやすいと感じました。
炭酸系飲料にベストマッチ
サワーグラスなので当たり前ですが、再生ガラスは炭酸飲料によく似合うと思います。
薄いグリーンのタイプはレモンサワーやビールに、スモークタイプはコーラや黒ビールのような、色の濃い飲み物にぴったりです。
グラス自体に無数の小さな泡が混じっていて、いかにも炭酸に合わせて作られたような雰囲気も感じられます。
ちなみにスモークはアイスコーヒーにも◎!夏の在宅ワークのお供にもおすすめですよ。
お手入れに少し気を遣う
小樽再生ガラスは、食器洗浄機が使えません。とても薄いので、洗うときにも割れたらどうしよう?とちょっと気を遣います。
ただ、軽いので手洗いもそこまで苦にならず、実際に洗ってみると意外に丈夫かも?と思いました。
なんたって前身は自動車のガラスですからね~。そんなにヤワじゃないです。
小樽再生ガラスがおすすめな人
小樽再生ガラスは、特に以下の人におすすめです。
少しでもエコな暮らしをしたい
SDGsとかエシカルとか、何かと話題になっている昨今、自分にも何かできないかと考える人は多いでしょう。環境に優しい洗剤に切り替えてみたり、フードロス削減に協力したり。個人でできるエコな活動はたくさんあります。
小樽再生ガラスを使うのも、その一つです。文明の利器・自動車も、古くなればただのゴミです。部品の多くは再利用されているものの、食器のような身近な製品になるのは珍しいでしょう。
大量生産された安価なガラス製品より、再生ガラスを選ぶこともエコな活動といえます。
気の利いたプレゼントを探している
おしゃれなグラスや食器は贈り物にも最適な日用品です。ただ、贈答品として売り出されている物の多くは「どっかで見たことあるよ」と感じてしまうのも事実。
50年以上も生きてると、新鮮な贈り物を選ぶのは難しい!
小樽再生ガラスなら、他では買えないオリジナルなアイテムとして、自信を持ってプレゼントできます。
「自動車の廃ガラスからできている、エコなガラスなの」と話題性もあり、会話が盛り上がるでしょう。
特に北海道出身の人や自動車好きな人、環境問題に関心のある人に贈ると喜ばれそうです。
小樽再生ガラスを使ってみよう
富硝子の小樽再生ガラスは、楽天市場などのネットショッピングサイトで取り扱っているほか、小樽市へのふるさと納税の返礼品として入手することも可能です。
なかなか気に入ったガラス食器が見つからず迷子になっている人は、この機会にぜひショップをのぞいてみてくださいね。