歯磨きも環境に配慮 オーガニック歯磨き粉やエコな歯ブラシを紹介

毎日の歯磨きは口の中を清潔に保ち、健康を維持するためにも欠かせない習慣です。
最近では化学成分を使わない歯磨き粉や、プラスチックを減らした歯ブラシのような、環境と健康に配慮した製品が注目されています。
こだわりの歯磨き粉や歯ブラシを選び、スマートにお口をケアしましょう。
環境に優しい歯磨きのメリット・デメリット

そもそも歯磨きの何が環境や健康によくないのか、わざわざ買って使うべきものなのか、ピンとこない人も多いかもしれません。長く続けた歯磨き習慣を変えることに抵抗を感じる人もいるでしょう。環境を意識した歯磨き習慣がもたらすメリット・デメリットを整理します。
メリット:環境と人体への影響を軽減
歯磨きが環境に影響を与える要因としては、主に以下の3点が指摘されています。
- 歯磨き粉に含まれる化学物質
- 歯ブラシの素材
- その他オーラルケア製品から出るごみ
市販の多くの歯磨き粉にはフッ素化合物やSLS(界面活性剤・発泡剤として使われる)、人工甘味料など、さまざまな化学添加物が含まれています。
もともと自然界に存在しない成分なので、排水後は自然に分解されることなく残り続け、マイクロプラスチック汚染を引き起こす原因の1つとされています。
1回の使用量がわずかとはいえ、皆が毎日使い続ければ、その影響は計り知れません。
また使用済み歯ブラシや歯間ブラシ、歯磨き粉の容器などはプラスチックごみとなります。それぞれ単体では小さいけれど、積み重なれば大量のごみとなって環境に負荷をかけるでしょう。
自然環境に配慮した製品はすなわち、人体にも優しいということになります。特にSLSは安全とされているものの、皮膚や粘膜への刺激が心配されています。
エコな歯磨きグッズを使えば、環境保全と健康維持の両立につながるでしょう。
デメリット:価格や効果への疑念
歯磨きに限らず、エコを意識した製品に対して「気になるけれど手を出しにくい」と感じる人も多いのではないでしょうか。
その主な理由は価格です。実際に比べてみましょう。
天然由来成分の歯磨き粉

ドラッグストアなどで見かける歯磨き粉

下の方が容量が多い上に価格も安いのが分かります。
価格だけではなく、買いやすさもポイントです。環境に優しい歯磨き製品は、あまりスーパーやドラッグストアには置いていないので、はっきりいって探すのも一苦労です。
もう1つ、環境に優しい製品には、心理的なハードルがあります。歯磨き粉に求めるものは人それぞれですが、天然由来の素材を使って本当に効果があるのかなぁ?と思う人も多いでしょう。
フッ素配合じゃないと聞いて、虫歯予防できないのではと思ったり、歯磨き後の清涼感が好きな人が「すっきりしないのでは」と心配になったりするのは当然です。
いくら環境に良いよいとはいえ、高い上に効果もよく分からないものに変えるのは、勇気がいります。家族に反対されることもあるかもしれません。
決して無理せず、自分に合いそうなものから取り入れていくくらいで始める方が、長続きするでしょう。
おすすめ歯磨き粉

歯磨きグッズの中でも健康への影響が懸念されるのが、歯磨き粉です。環境にも健康にも優しい、天然成分を使用したおすすめの歯磨き粉を見ていきましょう。
ecostore(エコストア) トゥースペースト
ecostore(エコストア)は1993年にニュージーランドでスタートしたブランドです。洗剤からボディケア製品まで広く扱っていて、歯磨き粉「トゥースペースト」は同ブランドを代表する人気アイテムとなっています。
フッ化物・人工甘味料・SLS・合成香料を使っていませんが、一般的な歯磨き粉と変わらない「磨けた感」「爽快感」を得られます。
すすぎが足りないときにありがちな「残留感」もなく、すっきり。目的に合わせて以下の4種類から選べるのもポイントです。
主な成分 | 主な効果・特徴 | |
---|---|---|
ホワイトニング | 天然重曹・3種のハーブエキス | 自然な白さに導く |
プロポリス | 天然プロポリス | 虫歯予防 |
マヌカ&プロポリス | 天然マヌカハニーとプロポリス(香味料) | 口臭予防 |
コンプリートケア | オールラウンドな歯磨き粉 | |
ホワイトニング20g | お試しや旅行に最適 |
迷ったらとりあえずコンプリートケアを使ってみてもよいでしょう。


実際に使ってみたところ、一般的な歯磨き粉と変わらない清涼感に驚きました。エコな歯磨き粉の中では価格もお手頃なので、リピートしています。
Greeus(グリース)CBD TOOTHPASTE
高品質なスイス産のヘンプ(麻)からつくるCBDと、国産の麻炭パウダーを配合した歯磨き粉です。
CBDとは、「Cannabidiol(カンナビジオール)」の略で、麻に含まれる成分「カンナビノイド」の1種です。ヒトの健康や美容によい効果をもたらすとされ、欧米では研究が進んでいます。
歯磨き粉における効果は、歯垢除去による虫歯や口臭の予防です。麻炭パウダーには汚れや臭いの元を吸着する効果が期待されます。
化学成分は一切不使用で、飲み込んでも安心なほど。きつすぎないミントの味もちょうどよい加減です。
炭が入っているため見た目は真っ黒ですが、逆に歯は白くなると評判です。


Davids(ディヴィッズ)ホワイトニングトゥースペースト
100%天然由来成分を使用しているだけでなく、パッケージも環境に優しい歯磨き粉です。
プラスチックごみを減らすために、アルミニウム製のチューブと、FSC(森林管理協議会)認証の紙の外箱を採用しています。
チューブの内側はBPAフリーコーティングが施され、歯磨き粉に金属が混じる心配はありません。最後まで使ったら切り開いて内側を洗い流し、自治体のルールに従ってリサイクルに出せます。
オレンジバニラやストロベリースイカなど、種類がたくさんあり味の変化を楽しめるのも◎。パッケージのデザインもおしゃれで、長く愛用したくなるブランドです。


Soorb ソーブ トゥースタブレット
口の中でかみ砕いて使う「タブレットタイプ」の歯磨き粉です。砕いたあとに、歯ブラシで磨いてからすすぎます。
タブレットにはチューブのごみが出ない、小分けにして持ち歩きやすいといったメリットがあります。
チューブタイプと違って出し過ぎる心配もなく、歯ブラシを直接つけないため衛生的です。
捨てられるだけの卵殻からつくるバイオアパタイト採用と、リサイクル可能なガラス容器も特徴的。


木曽檜歯磨きジェル
日本人に馴染みの深いヒノキを使い、丁寧に作られた歯磨きジェルです。天然の木曽檜を始め、イチョウの葉やワサビの根エキスなど、すべて植物由来原料を使っています。
木曽檜の100%蒸留水には、歯周病・虫歯・口内炎の原因菌を除菌する効果があることが証明されています。泡立ちや強い刺激がなく、歯磨き直後に飲食しても味が変わりません。


環境に優しい歯ブラシ


ほとんどすべてプラスチックでできている歯ブラシも、環境に優しい製品とはいえません。小さいし、きちんと処分すればそこまで問題ではないでしょうと思いがちですが、歯ブラシはこまめに取り換える必要があります。
1カ月に1回交換するとして、1人年間12本、4人家族なら年48本を捨てることになります。しかも柄の部分は全然傷んでいないのに、ブラシがダメになる度に捨てられてしまうのです。
もったいないですね。
微力ながら環境に優しい暮らしができる歯ブラシを紹介します。
MiYO Organic(ミヨオーガニック)竹歯ブラシ
柄の素材に、オーガニック竹を使用した歯ブラシです。成長が早く、丈夫で抗菌効果のある竹は、近年注目のエコ素材。
脱プラスチックを目指す社会において、大変期待が高まっています。ナチュラルな見た目で、生活感が出にくいのもうれしいポイントです。
ブラシには、植物由来のひまし油から製造したナイロン610が使われています。
ミヨオーガニックの歯ブラシは、パッケージにも竹端材を練りこんだ紙を使用するこだわりっぷり。日本人の口に合わせてヘッドが小さく、磨きやすいのも特徴です。
ブラシは「やわらかめ」「ふつう」の2種類です。子どもにぴったりな、柄の長さが短めタイプもあります。


N h e s .(ナエス) t u r a l i s t
柄に天然木、ブラシに動物の毛を使った100%天然素材の歯ブラシです。椅子を作るときに出る、ブナの端材を有効活用しています。「えごま油」でコーティングした柄は耐水性が高く、丈夫です。
ブラシに使う毛は、食用の馬や豚のもの。メイクブラシやヘアブラシにも使われています。
動物の毛はナイロンに比べて広がりにくいため、長持ちします。やわらかいため歯茎を傷付けるリスクが低く、安心して使えるでしょう。


Jordan(ジョーダン) ウルトラライト
ノルウェーのオーラルケアブランド、ジョーダンから出ているのは、100%再生プラスチック製の歯ブラシです。柄に穴が開いた構造で、プラスチックの使用量をさらに削減しています。
軽くて丈夫、しかも乾きやすいので旅行用やオフィス用にもオススメです。歯磨きタイムが楽しくなりそうな、モダンなデザインも秀逸。


サ・レ・ド ミュー
ありそうでなかなか見かけない、ヘッド交換式歯ブラシです。ハンドル1本にヘッドが3つついてくるので、プラスチックごみを大幅に減らせます。安い歯ブラシ3本分程度と、値段も控えめです。
歯ブラシにお金をかけたくないけどエコは意識したい人や、歯ブラシを捨てることに抵抗を感じる人におすすめしたいアイテムです。


環境に優しいデンタルフロスなど


近年はデンタルフロスやマウスウォッシュにも、環境に優しいアイテムが登場しています。
デンタルフロスや歯間ブラシは毎回使い捨てにするものなので、歯磨き粉や歯ブラシ以上にエコ効果を実感できるかもしれません。
Davids プレミアムデンタルフロス
リサイクルペットボトルから作られた、ポリエステル繊維を使用したフロスです。
天然のミントオイルに、ヴィーガンワックスとカカオバターなど、糸以外のところでは天然由来成分を使っています。
使用中に切れたり広がったりせず、歯垢をしっかりとキャッチします。無印良品みたいなシンプルなケースもおしゃれ。


HYDROPHIL(ハイドロフィル)デンタルブラシ
竹の歯ブラシでも人気のブランド・HYDROPHILでは、竹製デンタルブラシも出しています。
ブラシ部分は、アメリカのデュポン社製の丈夫なナイロン612を使用しています。BPAフリーで、1本で約14日間使えるサスティナぶり。
0.4〜0.6mmの4サイズ展開です。


SUPERBEE - biodegradable dental floss
堆肥化できる、トウモロコシ繊維100%のデンタルフロスです。ペパーミント精油を染み込ませ、天然の竹ワックスでコーティングされています。
フタ付きの詰め替え用ホルダーと、1本30m巻きのフロス3本がセットで長く使えます。ホルダー本体は食品用ガラス製で、フタはステンレスです。
コンパクトな形状は持ち歩きにも便利です。


メイド・オブ・オーガニクス マウスウォッシュ
天然由来成分100%、オーガニック配合率97.6%以上のマウスウォッシュです。トウモロコシ由来のキシリトールや、マヌカエキスが歯垢の除去をサポートします。
ピリピリと刺激の強いマウスウォッシュが苦手な人も、ミント精油のおかげでスッキリ。


Georganics(ジオーガニクス) マウスウォッシュ タブレット
水に溶かして使う、タブレットタイプのマウスウォッシュもあります。もはや液体ですらないなんて、驚きです。
歯磨き粉でも触れましたが、固形なので小分けして持ち歩けますし、収納場所を取らないのもうれしいポイント。
大きなプラスチックボトルではなく、薬瓶みたいなかわいいガラス容器に入っているので、ごみ削減にも貢献します。


HYDROPHIL(ハイドロフィル)トゥースブラシケース
せっかくエコな歯ブラシを買ったなら、外出時にも使いたくなります。そんなときは、竹でできた歯ブラシケースが便利です。
プラスチックのケースに比べてブラシの乾きが早く、衛星面でも優れています。HYDROPHILの竹歯ブラシ用ですが、長さが合えば他の歯ブラシでも使えます。


自分に最適なオーラルケアを
子どもの頃は面倒で仕方がなかった歯磨きも、大人になった今は大切さが分かります。そして同じ性能を持つならば、環境に優しい製品を選びたいと思うようにもなりました。



ちょっと高いけど、未来への投資と思い、使い始めたのがエコストアの歯磨き粉です。歯ブラシは竹製を使っていて、今後は歯間ブラシも竹のものに切り替える予定です。
安価で扱いやすいプラスチック歯ブラシや、虫歯予防に効果があるとされるフッ素入りの歯磨き粉を否定する気持ちはありません。家族にも、本人の好きなものを使ってもらっています。
自分の歯なのですから、自分なりによいと思えるものを選び、気持ちよくケアできるとよいですね!