プラスチック 弁当箱は危険?体や環境に優しい安全な素材とは
プラスチック製の弁当箱は便利ですが、使われる素材の一部には人体への危険性が指摘されるものもあります。用済みになればプラスチックゴミとして、地球環境にも悪影響を与えるでしょう。
近年はプラスチック以外の弁当箱が見直され、たくさん出回るようになってきました。安全で環境にも優しい素材のおすすめ弁当箱を紹介します。
プラスチック 弁当箱が危険な理由
プラスチックの弁当箱は安くて種類が豊富にあり、持ち運びや手入れも楽な点がメリットです。店頭に並んでいる弁当箱も、ほとんどがプラスチック製といってもよいでしょう。そんなプラスチックの弁当箱が、危険とはどういうことなのでしょうか?
環境ホルモン
プラスチック製品に含まれる化学物質、ビスフェノールA(BPA)やフタル酸エステルなどは「環境ホルモン(内分泌かく乱物質)」として有名です。
環境ホルモンを体内に取り込むと、ホルモンバランスの乱れや発育異常など、健康上の問題を引き起こす可能性があります。
もちろん、プラスチック製品は身の回りにあふれており、使ったからといってすぐに健康被害があるわけではありません。もし環境ホルモンが多少体内に入ったとしても、人によっては何の影響も感じないかもしれません。
ただし食品を保存する容器の場合、加熱や食材との接触により環境ホルモンが溶け出し、直接体内に入りやすくなるため注意が必要です。
特に小さな子どもや妊婦さん、これから出産を考えている若い女性などは、できる限り取り込まないにこしたことはないでしょう。
マイクロプラスチック
マイクロプラスチックによる海洋や大気の汚染も、近年大きな問題となっています。
マイクロプラスチックが発生する原因としては、不法に捨てられたプラスチック容器が劣化して細かくなったり、洗剤や化粧品などに入っている化学物質が下水を通して流出したりとさまざまです。
持ち帰り弁当に使われる使い捨てのプラスチック弁当箱や箸袋などは、そのまま捨てられてマイクロプラスチック化する要因の一つといえるでしょう。
学校や職場に持って行く弁当箱も、いずれは処分することになります。
きちんとゴミに出しているし、リサイクルされるんでしょ?と思う人もいるかもしれませんが、日本のプラスチックゴミは、本当の意味でリサイクルされているとはいえない現状です。
ほとんどは国内で焼却して、その熱を再利用するだけですし、残りは外国に処理を頼っています。輸出するゴミが増えれば外国でも処分しきれず、海に捨てられてしまうことも。
このため、一人一人がそもそもプラスチックゴミを増やさないように意識して暮らす必要があるのです。
プラスチック以外の弁当箱のおすすめ素材
こうした状況を受け、近年はプラスチック以外の素材を使った弁当箱が人気です。おすすめの素材と特徴を見ていきましょう。
ステンレス・アルミ
シルバーに輝くステンレスは高級感があり、おしゃれなデザインも選べるのがメリットです。プラスチックと違って頑丈で長持ちするため、ゴミを減らすうえでも効果が期待できます。
電子レンジは使えませんが、弁当箱なのでそこまで気にすることはないでしょう。
軽い金属のアルミは、荷物が多い人や幼稚園児などにおすすめです。
ただし内側がフッ素樹脂でコーティングされているタイプや、プラスチックのフタ・おかず入れが付いているタイプが多く、プラスチック以外の素材を求める人は購入時に注意が必要です。
木や竹などの自然素材
天然の杉や竹を使った弁当箱は、なんともいえないぬくもりが魅力です。特に無塗装の曲げわっぱなら、冷めてもふっくらとおいしいご飯が食べられます。
曲げわっぱ以外にも、普通の四角い弁当箱やカゴタイプなど、種類も豊富に選べます。基本的には洗剤を使わなくてもきれいになるため、より環境に優しいと考えてよいでしょう。
長く使えるガラスやホーロー
耐熱ガラスやホーローも、弁当箱におすすめの素材です。見た目がおしゃれなだけでなく、形や容量がさまざまで、保存容器として長く使えます。食材の匂いがつきにくく、お手入れが簡単な点もメリットです。
重いことや、割れる恐れがある点がデメリットですが、例えば家の近所でパートしている人なら、そこまで気にならないのではないでしょうか。
耐熱ガラスは電子レンジも使えるので、職場に電子レンジがある人は重宝するでしょう。
プラスチック以外の弁当箱 職場用おすすめ
プラスチック以外の弁当箱のうち、主婦が職場に持って行くときにおすすめの商品を紹介します。
工房アイザワ ランチボックス
シンプルイズベストを地で行くような、ステンレスの弁当箱です。フタにシリコンのパッキンが付いているので、密封性があります。
ゴムベルトで留めるだけで、余計な部品がないから洗うのも収納も楽です。スリムな形状がバッグに入れやすく、かさばらないのも◎。
栗久 弁当 小判型 小
天然の秋田杉を使った、内側が白木の曲げわっぱです。実は一般的に出回ってる曲げわっぱには、おかずの油や水分がしみ込まないようにウレタン塗装が施されています。
ウレタン塗装の製品は価格が手頃で洗剤や食洗機が使えるものもありますが、結局はプラスチックでコーティングされているだけですから、曲げわっぱ本来の機能としては劣ります。
栗久の曲げわっぱは外側だけウレタン塗装で、食材を入れる部分は白木なのです。このため環境ホルモンのが溶けだす心配もなく、ご飯がとてもおいしく感じられます。
山下工芸 竹ゴザ目
おにぎりやサンドイッチを入れるのに最適な、竹カゴタイプの弁当箱です。竹工芸の盛んな大分県別府市のメーカーが作っています。
竹は抗菌性に優れた素材でもあり、弁当ケースにはうってつけです。見た目もかわいらしく、弁当を作らなくなってもケースとして長く使えるでしょう。
スケーター 耐熱ガラス製 保存容器
職場で電子レンジが使えるなら、かわいいガラスの保存容器がおすすめです。
スケーターの耐熱ガラス容器は、4点ロックでしっかり密閉でき、弁当箱としても使いやすい形状です。
エア弁付で、フタをしたまま電子レンジに入れられるのもうれしいポイント。食洗機対応で、帰宅後のお手入れも簡単です。
弁当が不要になったらそのまま保存容器として使いましょう。
子どもにおすすめのプラスチック以外の弁当箱
発育途中の子ども達には、大人よりも環境ホルモンの影響に気を使うべきといえます。幼稚園や小学校の遠足、塾におすすめのプラスチックを使わない安全弁当箱を紹介します。
SMILISH アルミ 弁当箱
フッ素樹脂コーティングされていないアルミの弁当箱です。内ブタはポリエチレン製ですが、食材が冷めてからフタをすれば危険性はほぼないでしょう。
容量が280mlと、小さな子どもにぴったりのサイズ感です。同じシリーズでさまざまな柄があるので、好みに合わせて選びましょう。
栗久 手作り大館 曲げわっぱ
先ほども紹介した、内側が白木の曲げわっぱ弁当箱・キッズサイズです。
容量は350mlほどで、小学生の弁当箱や、中高生弁当のご飯入れにちょうどよいでしょう。
スケーター ふわっと盛れる アルミ製 弁当箱
食べる量が増えてくる中高生や、中学受験の塾弁当におすすめのアルミ製弁当箱です。フタが立体的なので、大きなおかずもつぶれず文字通り「ふわっと」盛れます。
カラーバリエーションが豊富で、年齢や性別を問わず使える点もポイントです。仕切り板はプラスチックなので、気になる人は外して使っても。
プラスチック以外の弁当小物
プラスチック以外の弁当箱を使うなら、小物にもこだわってみましょう。箸やおかず入れなどの周辺グッズを紹介します。
みよし漆器 天然木製 箸・箸箱セット
天然のブナの木を使った箸箱セットです。ケースのスマイルがかわいらしく、昼休みになると思わずにっこりしてしまいそう。
プラスチックの箸箱はすぐに壊れてしまう、という人にもおすすめです。
シリコンおかずカップ
シリコンのおかずカップは紙やアルミと違って、洗えば何度でも使えるメリットがあります。鮮やかな色合いでお弁当がぐっと華やかになるのもポイントです。
プラスチックと似ていますが、実は環境に優しいエコな素材です。冷凍庫・電子レンジ・オーブンが使えるので、おかずの作り置き容器にも適しています。
ミツロウラップ
おにぎりやサンドイッチを包むラップフィルムも、やはりプラスチック製品です。お皿にかぶせるだけならまだしも、食材に直接触れることを考えると、なるべく使いたくないものですね。
ミツロウラップは100%天然の素材でできており、使い捨てでもありません。熱に弱く電子レンジは使えませんが、おにぎりやサンドイッチを包むだけなら最適といえます。
色柄、サイズのバリエーションも豊富で、楽しいランチタイムを迎えられます。
安全素材の弁当箱を選ぼう
プラスチックはもともと自然界には存在しない物質であり、人体や環境への影響も未知数です。毎日口にする弁当を入れるなら、できるだけプラスチック以外の素材を選ぶのが賢明といえるでしょう。
とはいえ、完全にプラスチックを排除するのは現実的ではありません。天然素材の弱点を補うために、プラスチックでコーティングした弁当箱もたくさんあります。
大切なのは、正しい知識を身につけ、自分の納得できる範囲で安心・安全な製品を選ぶことです。
自分や家族、そして地球に暮らすすべての生物の健康を守るために、身近な弁当箱から見直してみましょう。