時代小説でほっこり?身近なテーマが楽しい女性向けの作品6選

時代小説は難しいと思っていませんか?いかめしい名前の武士や貴族、聞き慣れない昔の地名などが出てくると、歴史の授業を思い出して読む気がしないという方も多いかもしれませんね。

今回はそんな時代小説のイメージをくつがえす、身近なテーマを扱った作品を紹介します。ドラマでも観る感覚で気軽に楽しみましょう。

時代小説を楽しむポイント

 

武士

時代小説には戦国時代が舞台のものや、天才的な剣豪が出てくるものが多く、ハードな感じがしますよね。

しかし実際には、男女の切ない恋や庶民の日常生活を描いた、ほのぼのとさせられる作品もたくさんあります

こうした作品は物語の舞台が「昔」というだけで、登場人物の行動や心情は、現代を生きる私たちとほとんど同じなのです。

歴史で習うようなエラい人が出てくる作品もよいですが、庶民的で身近なテーマを扱った作品の方が、気軽に楽しめますよ。

やぎ夫人
歴史好きのやぎ夫人が、実際に読んで面白い!と感じた時代小説を紹介します!

女性が主人公の時代小説

読書

自分と同じ、女性が主人公の時代小説には、共感できる部分がたくさんあります。現代とはまるで異なる環境の中、恋に仕事に頑張る女性。

自分に重ね合わせて読んでみると、とても楽しめますよ。

諸田 玲子『狸穴あいあい坂』

諸田玲子

『狸穴(まみあな)あいあい坂』は、武家のお嬢様「結寿(ゆづ)」と精悍な若者「道三郎」がコンビを組んで、不思議な事件を解決していく短編集です。

麻布や高輪といった現在の高級住宅街を舞台に、軽快なテンポでストーリーが進みます。

結寿は、今でいえば警察トップの「火付盗賊改方」の娘で、堅苦しい実家を出て、隠居した祖父の面倒を見ています。

そこに現れたのが、同心(町の警備をする下級役人)の道三郎。身分違いの2人ですが、協力して事件を解決していくうちに、淡い恋心が芽生えます。

2人の恋の行方はもちろん、次に待ち受ける事件も気になり、トレンディドラマでも観ているような気持で読める作品です。

和田 竜『村上海賊の娘』

村上海賊

映画化された『のぼうの城』『忍びの国』の作者・和田 竜さんの長編小説です。

戦国時代、瀬戸内海の島々を拠点に活躍していた海賊の頭領「村上氏」の娘「景(きょう)」が主人公です。

景は彫りが深い顔立ちでスタイル抜群、今なら確実に美人の部類に入る姫にもかかわらず、真逆のタイプがもてはやされた戦国時代には、まったくモテません。

憧れていたイケメン武将にもフラれ、手下を引き連れ海賊働きに明け暮れる日々。そんな景をつい甘やかしてしまう父親や、姫にケガをさせては大変と神経をすり減らす家臣がとてもユーモラスに表現されています。

一方で、史実「木津川合戦」に向けた武将同士の駆け引きも緻密に描かれており、歴史が好きな方も満足できます。

こんな女性が本当にいたら、歴史ももっと面白いのになと思える、読みごたえのある作品です。

掃除する

続いて「掃除」や「引越し」など、今に通じる話題がテーマの作品を紹介します。

「今ならもっと楽なのに」「昔の人も苦労したのね」と思わず親近感を覚えますよ。

平谷 美樹『江戸城 御掃除之者!』

江戸城お掃除

「御掃除之者(おそうじのもの)」は江戸時代に実際にあった、江戸城の掃除だけを担当する役職です。掃除だけといっても、広大な江戸城ですから、小規模な会社くらいの大きな組織です。

担当エリアによって組(部署)が分かれ、それぞれ「掃き掃除」「拭き掃除」「修繕」など、得意分野を持った職人が、毎日誇りをもって城の「ホコリ」を払います。

ある日、上役から極秘に仕事を依頼された、組頭の山野小左衛門。その内容は、大奥の中にある「ゴミ屋敷」の片付けでした。

身分の高い女性がたくさん暮らす大奥での作業は気を使うことこの上なく、憔悴する組頭に思わず同情してしまいます。

それでも腕の立つ配下と一緒に難題を乗り越えて、ゴミ屋敷をピカピカにする様子は、テレビのドキュメンタリー番組のようです。

この作品を読めば、掃除というめんどくさい家事が、ちょっとだけ楽しくなるかもしれませんよ。

土橋 章宏『引っ越し大名三千里』

引っ越し大名

こちらは2019年の夏に、星野源さん主演で映画化された作品です。生涯に7回も国替えを命じられた「ツイてない」藩主に仕える、引きこもりの若侍が主人公です。

誰もやりたがらない「引っ越し奉行」を無理やり押し付けられ、経験値ゼロからスタートする主人公ですが、友人や元引っ越し奉行の娘の協力を得て、国替えを見事成功させます。

無駄な物の減らし方や人を動かす交渉術、思い切ったリストラ策など、現代に通じるテーマが満載で、読みながら「うんうん」とうなずいてしまいます。

本が好きで書庫に引きこもっていた主人公が、読書で得た知識に救われる場面も見どころですよ。(子どもに、もっと勉強してほしくなるかも・・・)

魅力的な男性が登場する時代小説

時代小説の男性

最後に、「こんな人いたらいいよね!」と思える魅力的な男性が登場する作品を紹介します。

諸田 玲子『髭麻呂 王朝捕物控え』

髭麻呂

時代小説には珍しい、平安時代を舞台にしたミステリー作品です。

いかつい髭面なのに、血を見ただけで卒倒してしまうほどの臆病者「髭麻呂」。これでも都の警備を担当する、検非違使庁の役人です。

従者の「雀丸」や恋人の「梓女」にハッパをかけられながら、いやいや事件現場に向かう髭麻呂が、とても親しみやすいキャラクターに仕上がっています。

一連の事件の犯人(?)と思われる盗賊「蹴速丸」が、かっこいいのもうれしいポイント。

当時の都に暮らす人々の風俗が、とても分かりやすく描かれているので、平安時代といえば貴族が歌を詠んでいるイメージしかない、という方にもおすすめです。

浅田 次郎『一路』

浅田次郎 一路

幕末の参勤交代の様子を描いた『一路』。父の急死によって、参勤交代の責任者を任されることになった若き主人公「一路(いちろ)」のイケメンぶりに、夢中になります。

一路はイケメンなだけでなく、頭がよくて剣も達者な無敵のヒーロー。経験がないばかりに大変な苦労をすることになりますが、機転を利かせて困難を次々に乗り切っていきます。

一路のご主人「おとのさま」や、途中で助けてくれる他の藩の藩士達も、みな素敵です。

期限までに、無事に江戸に着けるのか、ハラハラドキドキな展開も楽しめますよ。

読書タイムに時代小説を取り入れて

時代小説には純愛モノやミステリー、お仕事モノなど、今と変わらないテーマを扱った作品がたくさんあります。

今回紹介した本は、歴史の知識がなくても問題なく読めるものばかりです。

この機会に、あなたの本棚に時代小説をプラスしてみてはいかがでしょうか。

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