子どもの国語力を楽しく伸ばす!中受に役立つ語彙力や読解力を高めるコツとおすすめ教材

国語は学校での学びを支える基本の教科です。
漢字やことわざは、知らないよりも知っている方が何かと便利ですし、読解力があれば、算数の文章問題や理科・社会の教科書に書かれている内容への理解も深まります。
とはいえ長い文章を読んだり、漢字の書き取りを繰り返したりするだけでは、子どもも楽しくありません。
小学生の国語力を楽しく無理なく伸ばすために、家庭でできる工夫や親子で楽しめる教材をチェックしましょう。

私も子どもの中学受験で、国語の大切さを痛感しました~
なぜ「国語力」が大切なの?


国語力は、全教科の理解に関わる基礎力です。国語力とは何か、なぜ大事なのかをわかりやすく解説します。
国語力とは
国語を学ぶ目的は単に読み書きできるようになるだけでなく、以下のような幅広い力を養うことにあります。
- 読解力:文章を正確に読み取る力
- 語彙力:言葉の意味を理解し、適切に使える力
- 表現力:自分の考えを文章や言葉で伝える力
それぞれの力はお互いを補完します。
語彙力がないと、文章の意味を読み取ることも、自分の考えを相手に分かりやすく伝えることも難しいでしょう。
逆に漢字や言葉をたくさん知っているだけで、その使い方を知らなければ、宝の持ち腐れとなります。
他の教科の成績にも直結する
国語力は、算数の文章題や理科の観察記録、社会の記述問題など、あらゆる教科の理解・解答に直結します。
学校のテストや入試では、必ず「問題文を読む」作業が発生します。文字が読めても、何をすればよいのかが分からないと、正解にたどり着けません。
問題文の意味を正確に読み取れないことは、算数の文章題でつまづく大きな原因といわれています。
理科や社会は暗記すれば解けるケースもありますが、中学受験の難関校では自由記述の問題が多く出される傾向にあります。
問題文の意図を正確に読み取り、自分なりの解釈を述べることで、暗記していなくても正解を導き出せるような問題を出す学校もあるのです。



息子も社会が苦手でしたが、読解力だけでテストを乗り切り、志望校に合格できました!
将来社会に出たときに求められる、論理的思考力やコミュニケーション能力を重視する学校ほど、こうした傾向にあるといえるでしょう。
もちろん、高校や大学受験も同じです。英語の学習も、国語力が低いと捗らないのは、容易に想像できます。
国語力を構成する3つの力の育て方


国語力を高めたいなら、語彙力・読解力・表現力の3つをバランスよく育てることが重要です。
語彙力(漢字・言葉)
言葉を知らなければ、文章を読んでも内容が理解できません。語彙力はすべての基礎です。特に小学生のうちは、ことわざや四字熟語なども楽しく学べる時期です。
以下のように、日常の中で「おもしろい言葉」に出会わせて、興味を持たせてあげましょう。
- 雨が続いて公園に遊びに行けず、退屈しているときに「雨降って地固まるって知ってる?」と聞く
- 渋滞に巻き込まれたり、テーマパークで並んだりしているときに「しりとり」遊びで暇つぶしする
- 「木へん」の漢字をどれだけ書けるか競争する
読解力(読み取る力)
読解力はただ読むだけでなく、「登場人物の気持ち」や「筆者の言いたいこと」まで理解する力を指します。
例えば「このときの主人公の気持ちに最も近いものを選びなさい」のような問題が該当します。
「そんなこと、本人じゃないんだから分からないよ」と、子どもは言うでしょう。しかし実際には、前後の文章をよく読めば誰でも分かるようになっています。
つまり子どもはよく読んでいないだけなので、よく読む訓練ができれば、読解力は自然に伸びていくはずです。
「自分が主人公だったらどうする?」「ママならこうするけど、正解かどうか分からないから、もう少し詳しく教えてくれる?」など、子どもが自主的に「もう1回読んでみよう」と思うような声がけが有効です。
表現力(書く・話す力)
感じたことや考えたことを、自分の言葉で表現する力です。AI全盛の時代とはいえ、最後に相手の心を動かすのは、自分で考えた言葉です。
表現力が身に付けば、試験の自由回答で有利になるほか、社会に出てからも資料作成やプレゼンなどに役立つことは間違いありません。
表現力を鍛えるには、読む・聞く相手が必要です。
自分の発言に対して、相手がどう反応するのかを知り、どうすればもっと伝わるのかを考える。地味ながらも、こうした作業の繰り返しが、表現力の向上につながります。
家庭でできる!楽しく国語力を伸ばす工夫


国語力を付けさせたいからと、親が前のめりになっても、子どもが楽しくなければ意味がありません。国語がもっと身近になるように、遊びや日常会話の中で力を伸ばしてあげましょう。
漢字は「覚える」より「使って楽しむ」
国語の学習の中でも、子どものモチベーションが上がりにくいのが漢字の書き取りです。
繰り返し書けば、確かに正確に覚えられるかもしれません。しかしいやいや覚えた漢字は、テストの翌日にはもう忘れている、なんてことにもなりかねないでしょう。
学習内容を定着させるためにも、ゲームや会話の中で積極的に使い、漢字に対する抵抗感を減らすのがおすすめです。
- 漢字しりとり:読みや意味、部首の組み合わせなどさまざまなパターンで遊べる
- 漢字ビンゴ:部首しばり、画数しばりなど
- 日常での声かけ:「アサガオ」ってどんな漢字だったって?などと質問してみる
こうした積み重ねが、自然と語彙力強化につながります。
四字熟語やことわざはマンガやクイズで!
難しそうに見える四字熟語やことわざも、親しみやすい教材を使えば一気にハードルが下がります。勉強した後は、一緒に例文を考えてみるのもよいでしょう。
幅広い世代に人気の「ドラえもん」シリーズは、低学年から親しめる教材です。ことわざ・慣用句・四字熟語・読解とあらゆる国語力に対応しています。


高学年の子どもには、キングダム四字熟語熟語辞典もおすすめです。言葉の由来や使用例が分かりやすく、学んだ四字熟語を復習できるクイズコーナーも充実しています。
原作を知っている子はもちろん、知らなくても楽しめる内容です。


キングダムは秦の始皇帝が中華を統一する史実を基にしたマンガで、世界史に興味を持つきっかけにもなります。歴史の学習に役立つマンガはたくさんあるので、活用してはいかがでしょうか。
読解力は「音読+対話」で育てる
音読は、国語力全体の土台づくりに最適です。ただ読むだけでなく、「読み終わったあと」に一言会話を加えてみてください。
- 「このお話の舞台はどこなんだっけ?」
- 「この主人公の発言、どう思った?」
- 「もし自分なら、こんなときどうする?」
こうした問いかけを通じて、読む力と考える力の両方を育てることができます。
表現力は日記・手紙で
作文が苦手な子には、まず「書くこと」への抵抗をなくすことが大切です。自分から「書いてみよう」と思えるような、きっかけを作ってあげましょう。
- 一言日記:今日の出来事を簡単に記録する。書く習慣づけに。
- 親子交換ノート:「親が返事をくれる」ことでモチベーションアップ
- 手紙ごっこ:ぬいぐるみに手紙を書くなど、遊びの中に「書く習慣」を
文章表現の第一歩は、「書くって楽しい!」という気持ちです。
今の時代、日記や手紙は大人でもめんどくさいと感じがち。
そんな大人の事情は一旦置いておき、家族みんなでペンと紙を持って、取り組んでみましょう。
小学生におすすめ!楽しく学べる国語教材・ドリル


家庭学習の質を上げてくれる、人気の参考書・ドリルを紹介します。
本物の国語力をつけることばパズル
男子校御三家・麻布中学校の国語科教師による、「小学生のための」国語ドリルです。小学生のうちに身に付けたい語彙や表現を、パズル形式で楽しく学べます。
麻布中学校といえば、中学受験において日本トップクラスともいえる難関校の一つ。
その学校の先生が作ったドリルなら、一定の効果が期待できそうです。
中学受験する人もしない人も、まずは取り組んでみるとよいでしょう。


1日1枚5分でできる 漢字パズル
そもそも漢字って、それだけ覚えてもあんまり使えません。
書き順や読みを覚える以外に、1つの漢字に複数の意味があること、他の字と合わせて熟語ができることなどを、理解する必要があります。
「漢字パズル」は、そんな複雑怪奇な漢字を楽しく学べるように工夫された本です。
へんとつくりのように、いろんなパーツで成り立つ漢字。他の漢字と合体して一つの言葉になる漢字。実は漢字とパズルは、相性抜群なのです。


マンガで学ぶ最強の80字作文
小学校低学年の子どもでも、論理的な文章を書けるように導いてくれる本です。マンガを通して楽しみながら、一生ものの「書く力」が身に付きます。
作文と聞くと、イチから自分で組み立てるイメージがあります。夏休みの宿題で最初の一言を書くのに数日かかり、もう作文はコリゴリ、となった人もいるのではないでしょうか。
しかし実際には、基本ルールに沿って書けばそれほど難しくありません。
作文が苦手なパパママも、一緒に取り組んでみるとよいでしょう。


国語力を鍛えよう
国語力は一夜にして身に付くものではありません。でも、家庭でのちょっとした工夫や声かけ、楽しい教材との出会いが、子どもの興味とやる気を引き出します。
何より大切なのは、子どもと一緒にを楽しむ時間を持つことです。
「今日の給食どうだった?」そんな何気ない問いかけを続けるだけにも、子どもは応えようとして、表現力も自然と伸びていくでしょう。