食器用洗剤 エコなおすすめは？手にも環境にも優しい家事を

食器洗い用洗剤を、汚れ落ちの良さや価格だけで選んでいませんか？安くて油汚れも良く落ちる洗剤のほとんどは、石油由来の成分で作られており、水質汚染や手荒れの原因といわれています。環境にも手にも優しい洗剤の選び方や、おすすめアイテムを紹介します。

手と環境に優しい食器用洗剤の選び方

サスティナブルやエシカルという言葉の浸透とともに、身のまわりにも環境に優しいことをうたう製品が増えてきました。食器用洗剤も例外ではなく、何を選べばよいのか迷うほどです。まずは手と環境に優しい食器用洗剤を選ぶポイントをチェックしましょう。

生分解性のある天然由来成分を選ぶ

「生分解性」とは、微生物によって分解される性質のことです。多くの食器用洗剤に含まれる石油由来の成分には生分解性がないため、排水が自然の循環サイクルに戻れずに、川や海を汚してしまいます。

プラスチックゴミがいつまでも土に還らず、そのまま残ってしまうのと同じことが起こると考えてよいでしょう。天然由来の成分を使用した食器用洗剤なら、排水に含まれる成分もそのうち自然に還るため、環境への負荷も少ないといえます。

また生分解性のある洗剤には石油由来の成分が入っていませんので、化学物質による皮膚へのダメージを軽減する効果も期待できます。

液性をチェック

洗剤は汚れの種類に応じた液性を選ぶのが基本です。食器用洗剤にも「弱アルカリ性」「中性」「弱酸性」の3タイプがあるため、自分に合う液性を選ぶようにしましょう。

弱アルカリ性は油汚れがよく落ちますが、肌の油分も取れて手荒れを起こしやすいため要注意です。弱酸性は肌への刺激が少ない代わりに、洗浄力に物足りなさを感じることもあります。

カレーや唐揚げ、炒め物のような油を使うメニューが多ければ弱アルカリ性、お湯でも落とせるくらいのあっさりしたメニューが多いなら弱酸性がよいでしょう。

よく分からないときは、洗浄力と肌刺激のバランスがとれている中性を選んでおけば失敗を減らせます。

詰替えがあるか

食器用洗剤に限らず、今はさまざまな洗剤に詰替えタイプが用意されています。洗剤の中身がエコでも、容器がゴミになっては無意味なので、可能な限り詰替えできるタイプを選びましょう。

ボトルも100%プラスチック製よりは、生分解性プラスチックやアルミなど環境に負荷のかかりにくい素材を選ぶとさらにエコです。

液体洗剤ではなく、ボトルの不要な固形せっけんや、紙パック入りの粉末洗剤を選んでもよいでしょう。

香りやボトルのデザインも大切

食器洗いは、ほぼ毎日しなくてはならない家事の1つに数えられます。このため香りやボトルのデザインで洗剤を選ぶのも十分ありです。

天然精油を配合した洗剤なら、食器を洗いながらアロマセラピーできて一石二鳥です。おしゃれなボトルに入っていれば、おっくうな食器洗いにも前向きに取り組めるかもしれません。

手に取るたびにうれしくなれそうなアイテムを、この機会に探してみましょう。

環境に優しいおすすめ食器用液体洗剤

液体の食器用洗剤は、スポンジやブラシに取りやすく、スリムなボトルで置き場所を取らないのがメリットです。天然由来成分を使った、環境に優しい液体タイプを紹介します。

エコベール ゼロ 食器用洗剤

エコベールは植物由来の洗浄成分を使った、環境に優しい洗剤の総合ブランドです。食器用洗剤ZEROシリーズは、無香料・無着色・弱酸性のマイルドな使い心地が魅力です。

敏感肌の人や赤ちゃんがいる家庭でも、安心して使えるといわれていますよ。ボトルは100%再生プラスチックを使用しており、大容量の詰替えタイプもあります。いつもの洗剤をエコベールに変えるだけで、プラスチックゴミの削減にも貢献できます。

Komons(コモンズ) 食器用洗剤

Komonsは「毎日の家事を心地よい時間に変える」がコンセプトのホームケアブランドです。利用シーンに合わせて100%天然精油をブレンドしており、使うたびにすてきな香りに包まれます。

食器用洗剤は100%ヤシ油由来の洗浄成分に、保湿剤としてオーガニック栽培の「茶の実オイル」を配合しています。精油はオレンジやレモンなど柑橘系を中心に、抗菌・抗ウイルス作用のある青森県産ヒバをブレンド。

スポンジやまな板などの除菌・消臭にも効果が期待できます。

サラヤ 野菜・食器用洗剤 ハッピーエレファント

ハッピーエレファントは酵母発酵から生み出される洗浄成分「ソホロ」を使用した、生分解性の高い洗剤です。泡切れが良く、節水や時短にも効果的です。

バイオマスプラスチックを配合したボトルは、透明感のあるグリーンがとてもおしゃれ。柑橘系精油のさわやかな香りに包まれて、気持ちよく食器を洗えます。

売上の1％が、原料生産地のマレーシア・ボルネオ島の環境保全活動に使われるのもエシカルなポイントです。

YOPE ナチュラル 食器用洗剤

ミントの香りがうれしい、天然由来成分の食器用洗剤です。手に優しく油汚れもすっきり落とせます。かわいらしいパッケージはリサイクルが可能。

750mlと大容量なのもうれしいポイントです。同じシリーズでバジルの香りもあります。

megloop

ロート製薬株式会社の社内起業支援プロジェクトから生まれた、究極に環境に優しい洗剤です。

米ぬか油や天ぷら油など、本来なら捨てられる資源を再活用して製造しています。鳥に食べられ、捨てられる運命にあった「タンカン」の果皮から抽出した精油を配合しており、柑橘のフレッシュな香りを楽しめるのも魅力。

ボトルはリサイクル可能なアルミ製で、フタにも穴が開いているだけでプラスチックは使っていません。

ごみが少ない固形タイプの食器洗い

固形の洗剤は液体と違って容器がシンプルでゴミが出にくいのが特徴です。保管場所を取らないので、買い置きにも適しています。環境に優しい固形の食器用洗剤を紹介します。

三陸石鹸工房KURIYA 食器洗い石鹸

お菓子みたいな見た目がかわいい、スティックタイプのせっけんです。お湯に溶かして、液体状にしてから使います。

お湯100mlに1本、10本では液体洗剤1リットル分（一般的な液体洗剤の5本分）に相当します。液体洗剤を何本も買い置きするときに比べて保管場所を取らず、スペースを有効活用できるでしょう。

手に優しくおしゃれなせっけんは、プレゼントにも◎。

地球にやさしい 肌にやさしい キッチンソープ

天然由来の成分だけを使用して丁寧に作られたキッチン用ソープです。気持ちよく泡立ち、油汚れもすっきり落ちます。スパイシーなレモンに似た、MAY CHANG（メイチャン）精油配合です。

パッケージに添えられているのは、ドライフラワーを作る過程で出たロスリーフ。陶器や竹のソープディッシュで、ナチュラルなキッチンを演出しましょう。

はんなり美人 食器用洗剤

京都で50年以上続く、老舗メーカーが手作りしている洗剤です。抗菌成分として、グレープフルーツ種子エキスを使っており、柑橘の香りも楽しめます。

少量でもよく泡立ち、頑固な汚れもよく落ちると評判です。4人家族でも2カ月は使えるので、洗剤を買う頻度も減らせるでしょう。

サンセブン ハイアール 食器用固形洗剤

1973年から製造販売され、全国の飲食店でも愛用されているロングセラーの石けんです。手に優しいコラーゲンや温泉成分を配合しています。無香料タイプなので、香りに弱い人も使いやすいでしょう。

食器洗浄乾燥機用の環境に優しい洗剤

食器洗浄乾燥機は、手で洗うよりも水の使用量が少なく、時短にもなる優れものです。普及に伴い、専用洗剤にも環境に優しいタイプが登場しています。

エコストア オートディッシュウォッシュ パウダー

エコストアはニュージーランド発祥のサスティナブルブランドです。掃除用の洗剤から歯磨き粉まで、多彩なラインアップと使いやすさで人気があります。

オートディッシュウォッシュ パウダーは、粉末タイプで、レモンのほのかな香りが特徴です。汚れ落ちがよく、庫内の嫌なニオイも防ぐ実力派。

ボトルが大きいので、詰替えて使うのがおすすめです。

地の塩社 クリーン食器洗い乾燥機専用洗浄剤

界面活性剤を使わずに、油汚れを溶かすアルカリの性質を利用して洗う洗剤です。もともと自然界にある素材を原料にしているため生分解性が高く、水を汚す心配がありません。

溶け残りやにおい残りもなく、すっきりピカピカに仕上がります。

バンブークリア

国産の竹から生まれた洗濯用洗剤…なのですが、実は食器洗浄機にも使えるバンブークリア。化学物質も界面活性剤も一切使っていないので、泡立つ洗剤がNGな食器洗浄機でも問題ないのです。

竹は優れた抗菌・消臭作用を持つうえに、すぐに成長するため環境に負荷のない天然素材として注目されています。

プラスチックの代替品や、紙の素材としても使われていますよ。

サラヤ ハッピーエレファント 食器洗い機用ジェル

先ほど紹介した「ハッピーエレファント」シリーズの食洗機バージョンです。ジェルタイプなので、液だれしにくく快適に使えます。

お得な詰替え用もありますよ。

エコメイト(ECOMATE) 食器洗浄機用洗剤

こちらも界面活性剤を使わず、アルカリ剤だけで汚れを落とすタイプです。石けんカスが出ないので、つまりなどで機械が傷みにくく長持ちします。

計量スプーンが付いていない、シンプルなパッケージもエコなポイント。

エコな食器洗いグッズ

環境に優しい食器用洗剤を使うなら、スポンジや布巾もエシカルに行きましょう。一緒に揃えたい食器洗いアイテムを紹介します。

油汚れの拭き取りに 竹キッチンタオル

食器洗いでもっともやっかいな油汚れは、あらかじめ新聞や古布、キッチンペーパーなどで拭き取ると洗剤の使用量が少なくて済み、環境にも優しいといわれています。

とはいえ「紙がもったいない」「ゴミが増える」といった問題も。竹の繊維でできたこちらのキッチンペーパーなら、森林破壊を心配することなく使えます。

1枚で繰り返し使えるので、捨てる寸前のもので油を拭けばゴミを増やしてしまうといった罪悪感も軽減できるでしょう。

セルロースのキッチンスポンジ

セルロースとは天然植物繊維を原料とした、生分解性素材です。吸水力に優れており、食器洗いやお風呂洗いのスポンジとして人気があります。

ボロボロになったら庭の土やコンポストに埋めれば、自然に還ります。プラスチック素材のスポンジと違って、カスが流れても海を汚さないのもメリットです。

Eugre キッチンクロス セルロース スポンジワイプ

セルロースとコットンでできた、ナチュラルな布巾です。吸水力があるので、食器を洗った後のマットとしても使えます。

もちろんテーブルや食器を拭いたり、洗剤を付けてスポンジ代わりに使ったりすることも可能です。煮沸消毒できるので、一般的な布巾と同じように清潔に使えます。

ボロボロになったら雑巾として使い、最後は土に埋めるだけ。かわいい柄が、家事のやる気も高めてくれます。

和歌山生まれの手袋たわし

和歌山県の企業が開発した、手袋型のタワシです。手にはめて水に濡らし、蛇口やシンクを磨けます。

普通のスポンジやタワシでは届きにくい細かい部分も、指でなぞれば一瞬でピカピカに。

終わったら洗って絞って干しておくだけの手軽さも◎。吊るしておけるので、狭いキッチンでも邪魔になりません。

食器洗い洗剤を買い替えて、地球にも手にも優しい毎日を

食器洗い洗剤を変えるだけで、水質汚染防止や手荒れ改善の効果が期待できます。貴重な水を汚さずに済めば、海の生物だけでなく陸で暮らす私たちにもメリットは大きいはず。

手荒れに悩まされなければ、ハンドクリームやゴム手袋もいらない暮らしが可能です。この機会にいつもの洗剤を見直して、家事のストレスを軽くしましょう。